私が目の前で見た恐ろしい暴走事故を紹介します。50年以上前の話です。私が初めて掘った栗子トンネルでのことでした。私は700m地点で、中央下水を担当し、ズリ積みこみの最中でした。トンネルの奥から「暴走だ!誰か止めろ!」という叫び声が聞こえ、振り返ると鋼車が小走り程度のスピードで向かってきます。私たちも必死でレールに枕木やスコップなどを投げ込みましたが止まりませんでした。鋼車はスピードを加速させ900m走り続け土捨て場で止まりました。よくぞ被災者なしで終わったものだと思います。